雑観練習帳

ニュースの現場で思うことつれづれ

また永久機関報道

 毎日新聞神奈川版「発電装置:太陽光や風力より効率良く、電磁力で電力供給」

 構造説明の部分を引用:

 開発した発電装置は、円形アルミ板の周縁に磁石のN極、S極を交互に配列した回転体が大きな特徴。その周囲にコの字形の銅線コイルを配置する。始動時には市販モーターの助けを借りて回転体がコイルの間を動き始め、回転速度が増すと、ベルトでつながった別のモーターを回し発電する。
 これまでの計測結果によると、回転速度によっては、始動用モーターの消費電力の100〜1000倍程度も発電可能。また始動に必要な電力は400ワットモーターなら乾電池(単3)1本でも足りるという。
 研究所での実証運転では、回転体は最高で毎分1500回転し、直径80センチ(重さ約70キロ)の装置で毎時10〜15キロワット、同120センチ装置で毎時500キロワットを発電した。始動時に5・5キロワットのモーターを使った場合、1個100ワットの電球30個を点灯させていて3キロワットを発電できているのに、モーターの消費電力は2・6ワットしかなかった。

 ネタがない(地域版なんかだと「紙面が薄い」とか「ネタ枯渇」とか頻発する)ところに売り込みがかかったら、こういう話にはころっとだまされる(まして記事では「開発者」の実名が出ているし、「実証実験もやる」と書いている。「実名を出して話してくれた話は真実」と思いやすいのが新聞記者の習性だ)かもなぁ。
 ただ、書いたのは文系だとしても、整理校閲過程で1人でも理系がいればこんなのは簡単に見抜けるような気がするのだが、「木を見て森を見ず」ということはどの組織にもあり得る(「数字を間違えないように」とか、そういうことばかりに目がいっているということはある)ので自戒。
 さらにいえば、この記事中に登場し「画期的な発電装置」と認めている「元九州電力最高顧問で核燃料サイクルプルサーマル研究に携わってきた元国際原子力機関委員の松下清彦さん」には直接取材したのだろうか?

 ちなみにここ数日電話しかかかってこず、ちょっと人寂しい。