雑観練習帳

ニュースの現場で思うことつれづれ

鈍牛ウォッチャー

 お国柄ではあるのだが、パレスチナと隣接してもいないのに毎日反イスラエルデモ一色のテレビと新聞を見続けることになった。
 イスラエルユダヤ人優越を定めた「人種差別国家」で、ユダヤ人がいない日本が同情する余地はほとんどないのだけれど、荒れ地から60年営々と働き、中東の非産油国でもっとも生活水準の高い国を築き上げた末に、「イスラムの地図から消し去る」とかさる国の大統領に言われて(発言の趣旨は「国を作るなら南米かどこかに作れ」ということらしいのだが)、彼らも行くところがないということを鑑みれば、解決は難しい、というのは鈍い小生でも分かる。皮肉なことに空爆労働党カディマの与党支持率は急上昇、ハマスへの支持も根強い。「戦争で人が死ぬことが双方の政治勢力の利益になる」というのが冷酷な現実だ。
 一方で、中東=パレスチナ問題、だった時期が長く続いたが、ドバイの繁栄を見て明らかなように、中東地域の勢力の重心は、明らかに東に移っている。ガザ空爆でも原油価格の動きは小さく、産油国各国の動きも鈍かった。オバマ政権イスラエルのやりたい放題を許す余裕はもはやなく、一方のハマスも他国の資金援助をばらまいてパレスチナ住民の支持を受けてはいるが、中東の広汎な支持を受けているわけでもない、という背景も垣間見える。
 土地は1個しかないのだから、最終的には妥協で解決するしかないのだが、双方の政治勢力にとって「妥協が利益にならない」現状を考えると、一時的に停戦したとしてもそれはほとんど実質的な意味を持たない。レバノンハマスに近い政治的立場を持つヒズボラも静観しており、イスラエルハマスの「限定戦争」を大前提に、双方の対立はますます激化していく、ということになるのだろうが、やるせない。

 今年は「忍の一字」の年でした。干支のネズミも住処で目撃、退治しようなどと大それたことを考えたのが良くなかったのかも。来年は丑年。「鈍牛にも角がある」との思いを持って精進しようと思っています。まあ中年の入り口近くにさしかかっており、プライベートもいい加減なんとかしないとね。