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雑観練習帳

ニュースの現場で思うことつれづれ

あぶらかたぶら

旅行・地域 政治・経済・国際

 こんにちは。世界金融危機の中、いかがお過ごしでしょうか。ブログをお休みして欧州に出かけておりましたが、某アナリスト曰く「今回もっとも救われたのは、スペイン、ポルトガルなどの南欧諸国。ユーロに参加していなかったらとっくに破綻しているはず」という分析。確かに、この分析に従ってもう一度現状を見ると、「非ユーロ、ドル、円の非資源国」が危険ということになります。現在アイスランドが実質破綻、ハンガリー(非ユーロ)などに飛び火している現状をよく見極めているようです。値段にかかわらず否応なしに買わざるを得ない資源を持っている国は、こういうとき強い。
 さて、この国ですが、大資源国なので金融危機をめぐる問題はないようです(欧州から資産引き揚げとか、そういう報道は流れてますが)。在留邦人は寄ると触るとお金の話をしてますが、当地は駐在員の生活通貨が米ドル、ユーロ半々に分かれている国なので、ドル=ユーロ=円のレートが変動するとそれぞれ損する人、得する人が出てくる感じですね。
 ではハードカレンシーと当地通貨との為替はどうなってるかというと、実はもう一つの要因が大きく作用しております。それはインフレ。ジンバブエとは比較になりませんが、年率30%。何もなくとも毎月2-3%ずつ交換レートが動いています。だからドルやユーロからの両替はいつも最小限。そのとき使う量だけというのが基本。でもドルもユーロも変動するからねぇ…。
 UAEなどと違って、当地はドルペッグ(米ドルと現地通貨の交換レートを固定する)制度ではありません。逆にドルペッグしているドバイなんかでは、今年夏までの原油価格の上昇期にはドル建てのマネーが膨らんで、インフレがひどかった。ここはドルペッグしてないのにインフレなわけですが、この説明は結構難しい。
 ごく簡単に言ってしまえば、「お金(原油を売ったドル)はうなるほどあるが、(経済制裁で)買えるものがない」という状況が大きいです。原油を売ったドルは、国家収入となり、歳出拡大路線なので、国内市場に流れてきます。しかし、買うものがない。消費財は輸入が多い(のでもう一回ドルに戻す必要がある)し、資本市場は国営企業が多く(イデオロギー的理由ですが)、法制も未整備で株に投資するわけにもいかない。
 では何に流れるかと言えば、ここでも土地神話。不動産価格だけがどんどん上がっていって、いまや東京ロンドンを越えるんじゃないかという勢いです。家賃が昨年比2倍なんて当たり前。「払えなければ出て行け」と大家は強気一方。
 でも、市内の人口がどんどん増えているわけでもない(人口構成が若いので、多少は増えてるけれど)し、どんどん新しいマンションが建っているけれど、それを越えて高騰するほど需要が増えているとも思えない。
 もちろん経済制裁外資の流入も限られているわけで、ドバイみたいに外国企業(外国人)がどんどん進出してる、ってこともない。結局、原油高→土地投機という、中東どこにでもあるシナリオが進んでいるだけ(しかも、これは産業基盤の未熟さを示しているにすぎない)ということなんでしょう。このバブル、いつかはじけると思うんですが、欧米も嵐のさなか、いつはじけるかと言われるとやっかい。でも生活には直接響くしなぁ。
 付記するとこのインフレ、普通の市民生活には大変厳しいものがあります。普通の給与改定は春に年1回。昨年の物価上昇を織り込んだ形で決まります。しかし、昨年より今年のインフレが激しくなっても、基本的に再度の給与改定は行われないので、そのぶん年後半の生活水準はダウン。極端なことを言えば、春の生活水準と冬の生活水準が30%違うってことになるわけです。