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雑観練習帳

ニュースの現場で思うことつれづれ

新聞社サイトを健全に運営するには(メモ)

メディア

単なる思い付きだけど、最近忘れっぽいのでメモ。
新聞社サイトを(営業的に)健全に運営する秘訣は「本記を載せない」ことと「網羅しない」ことなんじゃないかと思う。
新聞社の人は情報を整理するプロなので、どうしても情報を樹形に並べてしまう。国内外を問わずほぼすべての新聞社サイトが「主要」から始まって、「政治か社会」「経済」「国際」「スポーツ」みたいに並べていく。せいぜい頭に「最新」とか「アクセスTop5」が来るくらいだ。
が、このスタイルで頭から見ていくと、読者に何の感情が起こるか。「満足」してしまうのだ。2-3紙のサイトを回ると「今日のニュースは大体頭に入った。もう(新聞は読まなくて)いいや」と思う。これは(新聞社にとって)危うい。なぜかといえば、小生のような一番新聞が好きなはずの新聞記者ですらそう思ってしまうのだから、普通の読者の人はなおさらだってことだ。
新聞社サイトの最大の存在意義はまったく逆で、「新聞を購読してもらうこと」が目標だ。こんなことは昔から書いてきたけれど、最近になって広告モデルによるネット事業が儲からないことが分かってから、ますます明白になってきていると思う。
だから、新聞社はサイト訪問者を「満足」させてはいけない。満腹にさせてはいけない。訪問者を楽しませなければいけないが、「ヒントだけ」「ちょっとだけヨ」−せいぜい腹五分目である。これが「満腹にさせ、ほかのサイトにに行かせない」ことが目標のネットポータルと、新聞社の立場が正反対たるゆえんだ。新聞にはニュースが詰まっているのだから、新聞社サイトは「(生)ニュースを見せてはいけない」のであって、「ニュースを(新聞で)読む気にさせる」サイトでなければならない。だから、本記を載せてはいけないのだ。
産経新聞のサイトなんかを見てると、いきなり「○○要旨」とか「法廷やり取り」とか「コラム」が出てくるが、読者の歓心を引く上で、これでまったく不便はない。逆に見出しで「これってどんな事件」だっけと知りたくなるから、かえってこの方が良いはずだ。ニュースの全貌を知りたくなったら、新聞を読むなりしてもらえばよいことなのだ。
新聞の強みは「網羅性と一覧性」なのだから、ネット上でニュースが網羅でき、一覧できたら新聞を読む人はいなくなる。週刊誌が新聞と並存できるのは、週刊誌に載っているのは全部が「サイド記事」であって、「本記」が載っておらず、情報の網羅性もないからだ、ということを思い返す必要がある。
ほかには新聞社サイトでやれることはなんだろう。新聞とテレビの狭間に落ちるニュースが重要ではないか。たとえば細かい天気予報や詳細な交通情報、あとは細かい火事情報といったもの。これらは生活していれば常に気になるが、新聞では情報が遅すぎて(あるいは記事がボツになって)役に立たず、テレビでは網の目が粗すぎてニュース枠もないから到底網羅できず、ラジオでは聞きたいときに情報を得られない。
ほりえもんこと堀江貴文氏が真っ先に入会希望を出したとされる記者クラブが、東京でも常駐記者が少ない気象庁クラブだったことを思い返してみる必要がある。これら(地域別天気予報とか)情報にニュースポータルは注力しているように見えるがが、それは特性上、かなり自然なことじゃないかと思う。