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雑観練習帳

ニュースの現場で思うことつれづれ

しんぶんし

旅行・地域 メディア

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 西側から言論統制されているといわれる国だが、意外にも!?新聞の種類は多彩だ。保守強硬派から改革派に至るまで、主要なものだけで10紙近くあり、「競争」も激しいようだ。会社としては全紙チェックするので、経費として新聞代がバカにならなかったりする。
 写真中央奥が、強硬派中の強硬派として世界にその名を知られている!?「ケイハン」紙。その左が、中道派「ハムシャフリ」紙。
 この国の新聞・通信社は完全な民営ということはまずなく、たいていどこかの公的機関(市役所や放送局などお役所)による経営か、有力政治家がパトロンとなって運営している。かつてのソ連に似ているようにも思えるが、有力政治家が経営する新聞というのはなかった。「法治」よりは「人治」の国なのだろう。
 スタッフに聞くと、革命前は断トツに「ケイハン」の部数が多かったそうだが、革命で強硬派が支配するケイハンの主張に嫌気がさした人が多かったのか、あるいはほかの理由もあるのか、「ハムシャフリ」が猛追、現在は完全に追い越しているという。新聞の発行禁止も頻発しているが、「カルゴザラン」ほか、改革派系の新聞もいぜん健在。しかし改革派の退潮傾向もあって、ページも少なめで部数はいまいちの模様だ。日本ほど政治に無関心ではいられない国だが、やはり人気があるのは事件報道(殺人事件容疑者インタビューとか、日本より報道合戦が激しい面もある。あとはなんといってもサッカーをはじめとしたスポーツ面。
 実際の発行部数は判然としない(宅配もあるが、この国では主流とまではいかず、市民は通りの露店で買うのが基本)のだが、はっきりと分かるのは、売れている新聞には別刷り広告が分厚いこと(宅配じゃないので折込チラシはない)。
 「別に『ハムシャフリ』が面白い記事を書いてるわけじゃないんだけど、広告が入ってないと街の情報が得られないからね〜」という話をきくと、どの国も一緒だなと思う。
 ちなみに売れている新聞は紙質もよいのだが、日本の新聞には遠く及ばない。なので、航空便で運ばれてくるスクラップ用の日本の新聞を「家事用に欲しい(家の隙間を埋めたり、吸い取り紙に使うのだそう)」といって持って帰るスタッフもいたりする。確かに比べれば日本の新聞の紙質が素晴らしいのは一目瞭然。ロイターなどの同じ写真を掲載していても、この国の新聞よりはるかに色鮮やかで感心するのだが、1日何分しか読まないのだし、日本がオーバースペックのような気もする。
 記事については言葉の壁があり正直よく分からないが、新聞記者はせ論評や話題もの取材が中心で、事件の第一報や記者会見、写真なんかは通信社依存が強いようだ。通信社も大手だけで4社あり、すべて国営か、政府系財団などの運営だから、肝心なニュースは横並びになるのだが、それでもジャンルに応じて強弱があり、ニュースの扱い方にも「各社の色」が出てくるのは、不思議といえば不思議ではあるのだが。