雑観練習帳

ニュースの現場で思うことつれづれ

「新聞社サイト2.0」

 先日ガ島通信さんとお茶の水のタイ料理屋「マプラー」(初見だけど美味かった)で話したことをまとめたもの(プラスちょっと私見と我流解釈)。

  • 現況、新聞社のネット展開は完全に「間違っている」。先進的な会社であっても認識からして間違ってる。
  • まず、ニュースは「お金を取って紙面で売る」ものであり、いかにサイトへの客寄せが必要であっても「無料で」見せるものではない。これはネットビジネスの現状からの結論。
  • サイトのアクセスを増やしたいからと言って「『新聞に載っている』ニュースをそのまま載せる(まして、リアルタイムで)」ことは、結局、自分の新聞紙面が「お金を出して売る価値がない」と言っているのと同義である。これから本紙も広告だけでやっていく、フリーペーパーにするのなら別だが。ヤフーに売って(ごくわずかな)お金をもらう以上に有害だ。第一、お金を出して新聞を購読している、何より大事な既存読者をないがしろにする行為ではないか。
  • その前提。インターネット上で、ニュースを含む「情報」を掲載して(それが広告収入であっても)お金を取るのはそもそも無理。ネット上で成立するビジネスは「物販」しかない。*1
  • したがって、新聞社サイトが「事業として成功する」ためには、「新聞に載っていない(載せられない、載せる余裕がない)」情報を掲載し、物販につなげる、というモデルしかない。
  • 「新聞に載っていない」情報とは何か。たとえば国際面に入りきらず捨てられている外電はどうか。ロイターのインタビューなんかで、超長文だがおもしろいものが流れてくる。たとえばウルムチ(中国ウイグル族自治区)に関するニュースならああいうものを全文掲載して(ガ島さん曰く、新聞紙面ほどのクオリティが不要なら翻訳も安くやる方法があるそうだ)、たとえばその脇でウルムチ関連グッズを売る。たとえば中東ネタだったら、中東専門の旅行会社の広告を取っても良いだろう。いくらでも蓄積できるのがネットの特徴。それぞれ項目についての数は決して多くないかもしれないが、これこそまさにロングテール。ちりも積もれば大きな収入になるはず。
  • 具体的に言えば、たとえば世の中に「ウルムチについて知りたいと思っている人」は必ずいるので、紙面上の都合(載せきれなくて)でボツになったウルムチ関連の原稿や、賞味期限切れの原稿でも集めておいてアーカイブにし、ウイグル関係の物販なり関連企業の広告を取れば(自力が無理ならGoogle Adsenseもある)、「新聞に載っていない」原稿で、紙面収入を傷つけることなくお金を稼ぐことができるではないか。*2

まあ、このサイト見ている人はほとんどいない(もようなので)書いちゃいますけど、誰かの役に立つんだろうか。なにしろ事業に疎い「記者」なものでアレだけど、このメモも有料で売った方がよかったかしら。なにしろガ島ブランドだから(冗談)。

*1:筆者:インターネットは「すべて無料」からスタートしているので、かつてのパソコン通信と違って、使用にどうしても躊躇があるクレジットカード以外に「課金」する方法がない。フレッツとか、閉鎖系のシステムも持っているプロバイダーなら可能性があるかもしれないが。

*2:筆者は田舎記者が長すぎてよく分からない部分もあったが、たとえば地方紙の地方版であっても「新聞紙面に載せるにはちょっと苦しいが、(イベント事前告知などで)関係者は載せてほしがっている」というようなネタはかなりあるのではないだろうか。そういう情報がたとえネット版であっても掲載されるのであれば、関係者=地方紙ではそれは読者でもあるわけだが、はとても喜んでくれるのは日々実感していたところ。十勝毎日新聞をネット上で展開するというアイディアみたいなものか。こういうネタであれば、記者が自分でやらずとも、ネット事業部単独でweb原稿化することも可能だろう。