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雑観練習帳

ニュースの現場で思うことつれづれ

W杯、一つの総括

 ブラジルに負けて、国内の論調は総楽観から総悲観に替わっているわけですけれど、見るだけスポーツ解説者としては、やはり今回の大会はドーハの悲劇Jリーグ創設からの一つの節目だったと思えます。因縁というか、監督はJリーグ最大の功労者、ジーコ氏だったわけですし。
 今後どうするか、そのためには現状の正確な評価が欠かせません。
 Jリーグが大変な盛り上がりを見せ、その上げ潮の中で行った8年前のフランスW杯、文字通り(というか実力通りの)惨敗でした。というか、諸外国の力の評価自体が全くできていなかったのではないか。小国ジャマイカに負けているようでは。。。というか、出場が決まった段階でみんな満足してしまったのではないでしょうか。
 4年前の日韓大会。ほぼ実力を出し切ったのでしょう。16強でした。しかし内容は欧州の超1流とは言いにくいベルギーに引き分け、ロシアに苦しい勝ち、安定した試合はチュニジア戦だけでした。そしてトルコにあっさり負けたと。

 今大会は結果的には、「オーストラリアに負けなければ」決勝トーナメント進出でした。8年間にしっかり負けたクロアチアに、今回は引き分け。
 客観的に言えば、「4年前と出場メンバーが大きく替わっていない」が、「8年前のチームより弱いかと言えば、そんなことはない」あたりから冷静に評価すれば、「想定された結果の中で悪い方だった」くらいの内容ではないかと。
 振り返ってみればアジア予選から内容も良くないし、イランにも既に負けている。
 じゃあ大会前の「ベスト4も狙える」評価は何だったのか。データを伴わない単なる願望か、「日本代表には強くあってもらわなければ困る」日本のサッカービジネスに関わる人の人気誘導的発言と見るべきでしょう。
 ただし、決勝トーナメントに進出して、1回勝てばベスト8ですから(実際フランス大会でクロアチア、日韓大会で韓国はベスト4に進出している)、妄言とまでは言い切れないのですが。
 ただ問題は、この先どうしていくかということでしょうね。
 かなり今回は予選も危なっかしかったので問題外ですが、今後W杯は「出場して当たり前」の期待値が国民から示されました。大陸間の実力差はありますが、確実な出場を果たすためには世界トップ30の実力は必要で、今回の結果でも、そのくらいの実力はあると評価してもよいでしょう。
 「W杯に確実に出場できる日本代表をつくる」というのは、Jリーグ発足時の重要な目標でした。それは、今大会でほぼ果たされた。
 しかしその先、世界トップ級を目指すにはまだ壁が厚い、と考えるのがよいのではないか。
 課題もすでに見えてきています。うまい人を相手に試合しないとうまくならないのがサッカーですから、ジーコが言っていたように主力は海外組にますます比重がおかれるでしょうが、それでも国内リーグ(Jリーグ)のレベル向上は必須。
 海外に出る代表選手の初期の育成・リクルーティングには、Jに代表される国内でのサッカー人気を維持し続けることがどうしても必要です。
 身近なサッカーチームにいい選手がいる→いい選手にはいい給料が必要だから、観客動員が増えることがまず必要。その上で海外組の質の向上も図れるはず。
 ですから、日本代表に強くあってもらうためには、Jリーグの試合をせっせと見に行くのが早道ということなんですが。
 もう一つは、やはり代表試合のやり方というか、日本代表の実力を客観的に評価できるような試合を意識的にやるべきです。欧州にはUEFAもあるし、代表格の選手は常に他流試合をやっています。日本代用がたまに集まって、手抜きのブラジルと何試合やってもいったいどのくらい強いのか(弱いのか)評価できませんし、正確な実力評価なくして自己満足に浸ったままでのチーム強化はあり得ない。
 とりあえずは本気の欧州中堅国の代表と試合をして、「勝ち続けて」いくべきです。テレビビジネスとしては、相手は欧州・南米メジャーじゃないと視聴率がとれないのかもしれませんが、これは本末転倒。
 でも、この8年で日本サッカーはずいぶん強くなったと思うんですがね。
 それよりも国民の期待値ばかりが勝手に遙かに肥大化していて、一部の選手はそれに浮かれてしまったと批判されたりもして、ちょっとかわいそうな気もします。
 日本野球は60年間、日本最高のスポーツの座を保持していたのに、それでもWBCでは韓国に2敗。アメリカ敗退の棚ぼたで優勝できたからよかったものの。。。それに、何でもかんでも、ありとあらゆるジャンルで世界一流にならなくても別にいいんじゃないかという気もしますがね。南米なんてサッカーがなくなれば国が成立しないんだから、そういう国にあえて勝たなくても。。。