雑観練習帳

ニュースの現場で思うことつれづれ

「マネーボール」

マネー・ボール (RHブックス・プラス)

マネー・ボール (RHブックス・プラス)

 金のないプロ野球チームをあてがわれたら、あなたはどうするだろう?
 ただ、金満球団の軍門に下るのを座して見守るのか。そんなチームだったオークランド・アスレチックスGMビリー・ビーンの活躍を描いた「物語」である。
 この本はビジネススクールの教科書にもなっているらしいが、さもありなんと思わされる。なによりも重視するのは「出塁率長打率」。ピッチャーは「制球」。守備は「考慮しない」。
 エースの剛速球での連続三振、4番の華麗な本塁打といったこれまで信じられてきた「スター性」を、徹底したデータ主義に基づいて「徹底的に無視」することで、アスレチックスは低年俸でありながら高勝率を維持するチームであり続けた。

 実は筆者、このビーンのテーゼを経験則から学んでいました。
「熱闘12球団ペナントレース」
 この野球カードゲームとともに青春を過ごした私たち(当たり前だが、このカードゲームは一人じゃできない、やっぱ6人は欲しい)は、確率のゲームとしてのプロ野球では、必ずしも選手の評価は世評や年俸通りにはならない、ということをよく知っていたのでした。玄岡、八重樫、久保、御子柴…「週刊ベースボール」の年間データ特集号を忘れずに買って、強い選手を発掘した日々が懐かしい。
 それでも、バースやブライアントはカードゲーム上でも一流でしたよ、やっぱり。
 でも、彼らは仮想ドラフトの1巡目で持って行かれてしまうし、年俸も高い(だろう)。敢えてそれを狙わない、という選択は経営オプションとしてあってしかるべきかもしれません。それで客は入って、いい選手が獲れるなら言うことなしです。
 でも、こんなゲームがあったってことは、野球の理論は、ある意味日本の方が進んでいた?