雑観練習帳

ニュースの現場で思うことつれづれ

民主党が訴えるべきだったこと!?

 とりあえずお休みしていました。
 選挙結果はご承知の通りだったわけですが、とりあえず私は世論調査も出口調査の結果も知る立場にありますので、軽口の!?悪癖でつい書き込んでしまうと、まずいことになりますので…

 選挙、選挙報道についてはまた書くことにして、民主党について書いてみたい。
 基本的に私はプルーラリズムの立場から野党第一党に投票することにしています。
 でも今回はやはり民主党には魅力がなかったですよね。

 で、郵政民営化小泉劇場に埋没したというけれど、それは表層をなぞったにすぎない。
 やはり民主党は、顧客(=有権者)のニーズをつかむことに失敗したと言わざるを得ません。

 では何を訴えれば良かったのか。
 民主党は労働者の党です。
 つまり顧客=労働者が求めていることを訴えればよかったのです。

 「年金」はもう古いのと、いい解決方法がない(なかなか自民党と差別化できない割に現在の票につながらない)から、「もっと大事なこと」。
 企業経営者の党の自民党は言い出せないが、みんながやってほしいことを訴えればよい。
 流行っているかどうか知りませんが、マニフェスト風に書くなら…

 1.8時間労働しても生活保護受給額を下回っている金額の最低賃金の引き上げ。
 2.サービス残業の罰則付き禁止(経営者を含む)と徹底した取り締まり。
 3.有給休暇の80%取得義務づけと月間労働時間の上限設定(罰則付き)=過労死対策法。
 4.ヴァカンス法の制定(連続休暇の確保)
 5.派遣労働者の一定期間後の正社員登用の義務づけを法制化
 6.大規模なフリーター対策(フリーター、派遣にも対応できる厚生年金制度の構築)

 たとえば、こんなこと。

 小泉首相が「郵政民営化で改革が必要だ!」と攻めてきたら「郵政民営化は誰も死なないが、改革の痛みでいま過労死して死んでいる労働者の権利を守るのが先だ」と訴えれば、勝ちます。
「勝ち組」の経営者より、「負け組」のリーマン労働者の方が圧倒的に多いんです。
 まさに民主主義は「数の論理」そのものなんです。それに、「遅れてきたサッチャリズム」の構造改革路線に対しては、欧州社民主義的な理論構成でしか対決軸は構築できない。

 なぜこれを訴えられなかったのでしょうか。
 フリーターは未組織労働者だから。大企業の組織労働者のことしか考えていない労組幹部には思いつかない(労組の専従役員は残業なんかしないし)とか、官僚出身の岡田党首自身がサービス残業漬けだっただろう、とか、国会議員は自営業者だから労働基準法が適用されない(議員秘書の労働の過酷さは職種の中でも指折りでしょう)とか、理由はなんとなく想像できますが、ここからは推測になりますね…

 「年金がもう古い」というのは、労働者のうち、人数が多いのが「団塊の世代」なんですが、この辺はもう支払者から受給者に移りつつある世代(「逃げ切り」を図ってる)だし、次に多い小生を含む団塊ジュニアは30代で、まだ年金が具体的な問題として考えられない(または、もう年金はもう出ないとあきらめている)ので、支持獲得につながらない。
 世代間対立の図式が鮮明になる10年後になれば、非常に大きな争点になるかもしれませんが…

 あと、これをやると労働コストが大幅に上がり、国際競争力をそぐ、という批判がありますが、そもそも違法行為を取り締まるのは当たり前のことだし、これは一種のワークシェアリング効果があるので賃金は低下するだろうけれども、それは市場で調整できるし、雇用増大で失業対策費用の増加にも歯止めがかけられる。
 また、余暇の増大は「さぼる」とか害悪的なことではなく、暇なら暇つぶしをしなければいけないから個人消費は大幅に増えるし、観光などのサービス産業は休日に集中した客が分散するから生産性が向上するし、少子化も(恐らくは)歯止めがかかる、ということで、これはWIN-WINで悪くないはずなんだけどなぁ…

 あと、これはいまからでも遅くないので、民主党の重点公約に入れてみられては?
 次の選挙まで党があるか分からない、なんて言われているけれど…