雑観練習帳

ニュースの現場で思うことつれづれ

「ほりえもん」こと堀江社長は現代の「政商」か?

 多忙につき書き込み停止宣言していましたが、今日は最後のちょっとした休み。
 週明けには公示となり、選挙報道は一定の制限を受けます。
 「刺客」中最大の話題をさらっているのは、なんといってもライブドア社長、堀江貴文氏なんでしょうが、自ら経営するサイトに注目を集めたいからだ、とか、ニッポン放送TOB資金は豊富だから、とか、はたまた知人が広島6区の中堅造船会社にいるからだ、とか、いろいろ言われているようですが…
 「政商」といえば国際興業グループの元社長小佐野賢治さんと田中角栄元首相の関係なんかが思い浮かぶのですが、ふと堀江社長は、構造改革の政商なのではないか、という気がしてきました。
 ただし、今どきの政商は裏に隠れていてはだめで、記者会見したり、体制の象徴たるテレビに出たり、果ては選挙に立候補しなければならなかったり、大変ですが(笑)

 なぜ政商になるのか。新興企業は、どこかで「体制」に認容・認証され、「折り合いをつける」必要が出てきます。既に確立した企業であれば、官僚相手に折衝していけば済むことが、そういうつてを持たないが故に、それができない新興企業は、その既得権益の壁を乗り越えるためにどうしても政治・政治家とつながりを持って、そこから官僚に圧力をかける必要があるのでしょうか。
 だから、許認可事業のテレビ局をほしがったり、大臣になるといってみたり、果ては自分で選挙に出てみたり。かなり腑に落ちますね。
 政治的ベクトルはほぼ正反対ながら、田中角栄小泉純一郎も、改革派のイメージをまとって現れたことは偶然の一致とは言い切れますまい。(奇しくも「角福対決」の田中派→旧橋本派と福田派→森派の攻守も逆転している)

 それはともかく、今回の選挙について最後のコメントを。
 ここからは個人的な印象になりますが…。

 誰が勝つとか、政権がどうだとか、じつのところ、私自身はあまり興味がありません。日本という国の地政学的な事情と、人口ピラミッド、経済情勢を考えれば、常人以上の指導者と政党であれば(竹下登首相から小泉純一郎首相を比較すれば、政策を持った指導者としての日本首相のレベルアップはめざましいと個人的には思えます)とれる政策は自ずから決まってくる、というのが実情ではないでしょうか。
 いろんな国の政治状況を見るにつけ、個人的好みを重視してで候補者を選べる、その幸せに感謝したい気もします。

 さて、取材をする人間として、最近一つもどかしい思いをするのは、選挙で吹くといわれる「風」の顔が見えないとことです。政党支持は、候補者の集会などの参加者で或る程度つかむことができますが、特に「無党派層」。
 確かに、匿名で上がってくる世論調査、出口調査があります。多額の資金を投じて得られるその結果はまさに数字の羅列で、それを縦横に見ることで、確かに投票行為の結果を早く知ることはできるのかもしれません(というか一企業人としてはできないと困る)。
 しかしその回答サンプルの一つ一つにはそれぞれの個人の思いがこもっているはずです。何に不満があり、何に期待を寄せているのか。最大の悩み・将来への不安は何か。数字に埋もれてしまうその一人一人の選択を、我々はつかむ術を持たないのです。
 だから、調査結果で「自民党支持高まる」とか「国民は構造改革支持」なんて結論が出たところで、微妙な皮膚感覚とのずれ、「本当にそうなるのかなぁー頭のいい『アナリスト』はそんなこと言っているけど」という心底からの疑問、どうもこれを消し去ることができないんですね。

 解決のために、顔の見える人、例えば家族や個人的友人に聞くこともあります。
 しかし、そもそも友人というのは、当然ながら知り合う段階で既に社会階層や教育程度が似ていたりするものですから、サンプルとしてとても全体を代表させることはできない。
 ○市在住の20代男性Aさん、あるいは農村部の△町在住の30代女性Bさん。電話調査や出口調査の結果として上がってくる。彼ら彼女らが何を考えて投票に行き、あるいは行かず、また考えた結果、誰に、何党に入れるのでしょうか。テレビを見て決めるのか、候補者ポスターでイケメンの方に入れるのか。はたまた松下政経塾出身だからか…
 これは政治学者のテーマでもあるのでしょうが、個人個人の選択は、よりジャーナリズムのテーマであるような気がします。確かに当選確実を早く出すのも大事なんですが…

 そして選挙という「祭り」のあと何が起こり、あるいは変わらないのでしょうか。
 結果はもう2週間後に迫っていますが、やっぱり今回も分からないんだろうなぁ〜。
 ここからはいよいよ実戦ですので、本当にブログの書き込みはお休みということで、あしからずご了承ください。