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雑観練習帳

ニュースの現場で思うことつれづれ

せめて丸山真男くらいは…

書評・映画・音楽

 勇ましい国家論を語ったり、酒場で後輩に偉そうに「ジャーナリズム」を語ったりする前に、せめて丸山真男くらいは読んで欲しい。
 いや、せめて『現代政治の思想と行動』、せめてその第一部の「現代日本政治の精神状況」くらい、せめてその冒頭の「超国家主義の論理と真理」くらい読んでもいいじゃないかと思うのは、窓際族の私くらいでしょうか。古本で安いんだからさ。

 丸山真男はやはり昨今人気のない「リベラル」だろうし、名著と言われても今風の政治学者が得意な「理論」も「数式」も「モデル」も提示しない。学生の時にそういって読まなかったのもまさにワタシなのだ。
 しかし三十路の声を聞く今になって、対中・対韓強硬論が叫ばれる今になって、やはり思い返されるのは丸山の本の一節。

 この本が描くのは過ぎ去った日本の過去の戦争の歴史ではない。丸山という大インテリが見つめたのは、まさに日本人そのもの、「優しい日本人」が戦後の企業社会まで持ち越した、日本社会、そして日本型組織の「弱さ」である。
 弱さ故の過ちを、あなたがいる組織で再び繰り返したくないと願うなら、一度は読まれることを願いたい。「日本ファシズムの思想と運動」なんて、まさに講演録で会話体。読みやすいですよ。

※しかし最近、記者同士で最近読んだ本(推理小説とか暴露本とかじゃなくて)の話をしたことがほとんどない。丸山は記者を「インテリ」に分類したけれど、今どきは「疑似インテリ」「亜インテリ」もいいところ。

現代政治の思想と行動

現代政治の思想と行動