雑観練習帳

ニュースの現場で思うことつれづれ

「わが祖国」を聴く

 たまたま部屋に転がっているのが見つかったので、夜にスメタナの「わが祖国」を聴く。
「わが祖国」はあまりにチェコ人のナショナリズムを高揚させる曲で、事実東欧革命の時は大いに演奏された。
 しかし、ナショナリズムといっても、スメタナはドイツ人支配からの脱却を夢見、それをロシア人支配からの脱却を求め亡命したクーベリックが指揮棒を振る、歴史の皮肉である。
 ちなみに見つかったCDは古い録音で、1971年収録。「プラハの春」の3年後。
 今やチェコスロバキアは2つの国になった。スロバキア人の開明派党官僚だったドゥプチェクが今の2つの国を見てどう思うか、今や死語となった「人間の顔をした社会主義」を本当に信じていたのか、祖国の土の下に眠る彼に聞いてみたいところなのだが。

 それにしても、夜に聴くとしみわたるいい曲である。
 プラハは3度行った。語弊を恐れずにいえば、プラハは京都だ。
 人もどことなく洗練され…いや意地が悪い。一見さんお断りのビアホールもあったりする。
 それでも第2次大戦と社会主義の破壊を生き延びたプラハチェコ人の誇りだ。
 あまりよそ者に評判のよくない京都も、まさに奇跡的に戦災を免れた。
 日本人としてこのことを感謝するとともに、無謀な戦争は避けたいと心から思う夜。