雑観練習帳

ニュースの現場で思うことつれづれ

床屋経済談

某氏よりメール。

ほりえもんの突拍子もない行動はいつものことだけど、今回のニッポン放送株取得でわからないのは、
「今後も市場で買い続けたい」というコメントを出しているところ。
ホントに買いたいなら取得価格を跳ね上げる(実際に今日はストップ高の勢い)コメントは
利益相反だし。
普通は高めに価格を決めてTOB(公開買い付け)だよなぁ。
こういうやり口は高値売り抜けを目論む仕手のやり方なんだけど。
このご時世じゃSECも黙っちゃいないだろうし。
うーん。

小生返信す。

話題の村上ファンドとの同盟が長期的に不安定だってことじゃないのかな。一時的に現経営陣を追い落として、内部留保1600億円を手に入れるところまでの利害は一致して居るんだろうけど、そっから先長期的に経営するつもりなら、そういうファンドが経営権のキャスティングボートを握っている状態は望ましくない(僕は村上ファンド抜きで33.4%取っているというのも怪しいと思っているが)と考えているのでは。
だから、「長期的には買い増したい」というのはあり得ると思う。

ただし、流動株がもう少ないというのも、周知のことだし。
株主異動の開示が5日後なんでしょ?そこまで上げるだけ上げてて、「提携が不調で、所有の利益がなくなった」とか何とか理由付けて、売り浴びせる可能性もなくはないと思う。最悪フジテレビのTOBに応じて5950円で売ってしまえばいいわけだし。

問題は、ライブドア村上ファンドで過半数ということが事実だとすれば、2社の間でどこまで買い進むという合意があるかということだろうと思う。
フジサンケイグループを支配しようと本当に思っているなら、最低でも(ニッポン放送にあるという原資を使って)フジテレビの33.4%まで買い上げる(これはTOBになるのでは)必要があると思う。この合意があるのかどうか。その合意があれば、ニッポン放送の株を買い上げるのはその後でも遅くない。
マスコミの人間は賢くないから、資本的な支配権をきちんと確立しないと最後まで抗戦すると思う。

ライブドアがマスコミ進出に意欲を燃やしているのは本当。
ライブドアニュースとかを立ち上げたが、デスクがいなくて苦労している(質が確保できない)という話。ネットニュースの地盤に赤字の産経新聞のガラだけでも引き取って、といううわさも、なくはない。ラジオ局がどう役に立つかは分からないけれども…免許事業だし、ニッポン放送は東京の主要記者クラブに加盟しているから(名`貸しみたいな実態だが)、既得権益としての価値はあるのかもね。含み資産も膨大みたいだし、フジテレビは簡単に手放せないから、法外な買い戻しオファーを出すかも知れない。

時事通信の持ち株がもう少しあれば電通も同様のことが可能だったかもしれないが、電通が賢いのは時事通信は社員持ち株で、非上場企業だってことだね。


さらにメール来たる。

ふむふむ。
逆に言うと、ライブドアはフジテレビの33.4%取得をさせないことを目論んでいるということか。
そうであれば、「市場で更に買う」発言で株価を吊り上げる理由として理解できるね。
ライブドア自身は別途株(もしくは委任状)の手当ては裏工作済みと想定)
ただTOBで売却はどうだろう。仕手集団のような継続を前提としない団体かつ風評が収益に影響しないところであればともかく、継続企業、しかもポータルサイト運営等、客商売の最たるものを中核に据えている企業が、金に転んだとか最初から不労所得狙いだったとか言われる可能性がある手段は取れないと考えるけど、どうか。

更に穿った見方をすれば、ルりえもんは近鉄買収問題で、世論を味方につけた場合の居心地の良さを感じてしまったので、そこから外れる選択をしないのではないだろうか。
カードの大富豪みたいなもので、マスコミに持ち上げられたヒーローはいずれにしろ、ぼろくずのようにマスコミに貶められて終わると思うけど。

結論としては、ライブドアは(長期的には)フジテレビ買収を狙っていると思う。またそれを可能にするエクイティファイナンスのアイディアを持っていると思う。
常識的にはLBO(買収先の企業の資産や将来の利益などを担保にした借入れ等を資金として企業買収を行う手法)で、どっかから資金調達の目処を立ててるといったところ。

小生さらに返信す。

フジテレビ側は25%で十分と言っているが、書いたが、あれははったりで、最終的にはフジ側に33.4%が必要になるだろうと思われる。
上場廃止を解決し、フジテレビを買い進むには、結局ニッポン放送が増資すればすむ。
逆に、フジテレビを諦めて、株をうっぱらうという選択肢もある。
ライブドアニッポン放送が合併する手もある。LBOもできる。
いずれにせよ、フジテレビがこれを阻止するには25%では足りない。

結局「25%で十分ですよ〜」というのはフジテレビの最後のはったりだろう。
これと上場廃止の脅しが効いて、ライブドアが崩せなくてもあわよくば、村上ファンドを切り崩せばもうライブドアは怖くない。一世一代のはったりだね。
(でもさすがにリーマンも村上ファンドもここまでは織り込み済みだと思う)

で、「お前の負けだ」という精神的な脅迫効果を出すためにわざわざネットでテレビ放送して、TOB価格も据え置いた。
でもTOB価格を据え置いたのは失敗だと思うね。あれは最終的に、ライブドアが刀折れ矢尽きてその価格で持ち込ませる(ライブドアが金銭的にも損をする)という完全勝利のシナリオが忘れられなくて(あと原資の問題で)、価格を据え置いて時間も延長したのだろうけど。逆に衆目のイメージを重視するなら「勝負あった」という印象を与えるために、価格は7000円でも8000円でも10000円でも思い切った額に引き上げるべきだったと思うのだが(実際は先に述べた理由で、25%ではフジテレビの勝ちとはいえないのだから)
1年延ばすならともかく、1か月延ばしても何の意味もない。名義替え、株主総会請求、訴訟、打つ手は明らかに攻め込む側の方が多いわけだし。

おそらくフジテレビも増資すると思うが、増資してもダントツの筆頭だから、少々のことでは薄められないだろう。しかもニッポン放送が非上場濃厚とみずから公表してしまった以上、買収資金との名分も立たない。

700億でラジオ局かよ〜という意見もあるだろうが、マスコミ業界内の人間から擦れば、700億で免許制の、有楽町自社ビル持ちの健全経営ラジオ局と大手レコード会社がついて(ポニーキャニオン中島みゆきだよね)、しかも上場会社=処分可能なフジテレビの株式がついていたら、十分すぎると思う。

まぁ、週明けにはさらに実態が分かるのでしょうが。
狸と狐の化かし合いというか、ポーカーみたいなもんですね。