雑観練習帳

ニュースの現場で思うことつれづれ

もっと津波に目を向けよう

毎日新聞によるロイター通信の転電によると、

スマトラ沖大地震津波で、インドネシア政府は7日、同国の死者数が7000人以上増えて10万131贈人に達したと発表。7日現在の全体の死者数は13カ国15万3319人になった。
という。普段数字に弱い私ではあるが、ベトナム戦争での米軍の死者が5万人だそうであり、東京大空襲の死者が約10万人だそうだ。15万人の死者という数字は、ことによると中規模の戦争のそれを上回る、途方もない数字である。しかもまだまだ増えるのだ。
当然戦争と災害の違いはある。それをどう捉えるかにも個人差はあるだろう。日本はすでに5億ドルの支援を表明し、警察、消防といった援助隊も活動している。決して出遅れてはいない。
 しかし、私にはどうしても、この21世紀最大級になるだろう未曾有の大災害に対して、日本国内の反応は冷淡に過ぎるのではないかと思うのだ。地域、文化的に遠い欧米ですら、市民的な支援のうねりが湧き起こっているというのにである。

 外国の例を引くのは気が引けるが、今日のNHKニュースによるとブッシュ(パパ)とクリントン元大統領が、党派の違いを超えて募金を呼び掛けたそうである。自動車レースのF1のミハエル・シューマッハが1000万ドル、ビル・ゲイツは3億円を出すという。売名行為かもしれないが、こういうときは偽善であっても何かをやった方がいいのだ。情けは人のためならずというではないか。
 では日本企業はどれだけ出したのか?カネの出し過ぎと株主代表訴訟を起こされるのが怖いのだろうか?松井秀喜が5000万円出したのはとても立派なことだ。では昨年秋にあれだけ大見得を切ったプロ野球選手会は何かやったのか?(無知なら申し訳ないです)

 そういう私は休みが取れるわけでなし、募金箱に少々の義援金を入れるくらいしかできない。
 そういう人間が偉そうに言うのだが、それでもやっぱり言いたい。
 旧英国植民地のインドやスリランカはともかく、もっとも被害の大きいインドネシアやタイは日本との関係が深い。タイなどはどこの企業が現地生産しているか、在留邦人も観光客も数え切れないほどで、経済的依存関係も強い。今や事実上の隣国と言ってもいい。特に東南アジアに深い関心があるわけでもない筆者自身もタイに2回ほど出掛けたこともある。リゾートでバリやプーケット、ペナンを訪れた人も多いのではないか。
 はっきり言おう、今回の派遣は国益にかなう。間違いない。自衛隊が半分出掛けるくらい、余っている県警機動隊員を総動員するくらいでいいはずだ。「出し過ぎ、覇権主義」と外国から眉をひそめられるくらい、カネも人も出せばいい。そして出すべきだ。

 それなのに…もう新聞の1面に津波の記事が乗らない日さえ出てきているとは。
 しかもこれまでの報道内容は、読む側からみればやっぱり日本人観光客の消息に偏っている。
 確かに報道はいつも邦人の消息に偏っているのだが、とりわけ今回は、書く側のすみっこにいる人間として、本当に日本人のことだけ分かればそれでいいのだろうか?と強く思わずにはいられない。
 個人的には、毎日特別番組、特別紙面を組むくらいの決断があってもいい。疎まれがちなキャンペーン報道だって、いまこそやるべきでは!これこそメディアスクラムって言われるくらい報道しなきゃ!世論を動かして、カネを集めなきゃ!
 伝えるべきことはまだまだあるはずだ。中越地震で、あの狭い地域の被害で(確かにその狭い地域の被害は甚大でしたが)過剰といわれるほどの洪水のような報道ができるのだから、復旧も遅れている今回の被害??伝えられないはずがない。
 それとも今の日本では海外の災害は視聴率(部数)が取れませんかね?
 それじゃあ、世界の大国、先進国としてあまりに内向きで寂しすぎると思うのですが。