雑観練習帳

ニュースの現場で思うことつれづれ

東は東、西は西…(1)

 「ウクライナ情勢とユーシェンコ元首相の毒殺未遂について書け」とのありがたいリクエストをいただいたのですが、あいにく年末で本業が多忙となってしまいました。
 ユーシェンコ氏の顔の変貌だけがワイドショーの素材となっているのかとおもいきや、朝日新聞も12月14日付けの社説「ウクライナ-ロシアの横車は通らぬ」で取り上げていたりして、日頃まず日本の新聞に載らない東欧のマイナーさをひしひしと感じる身としては「どうなっちゃってるのー、字になるのは東欧革命以来15年ぶり?」と思ってしまったりもします。(まあユーゴスラヴィア紛争をカウントするべきでしょうが)
 朝日の社説の結論は「ロシアは欧米諸国と協力して、事件の徹底究明と、公正な再投票の実現をクチマ政権に促すべきである」との、まあロシアにしてみたら「それができるんならとっくにやってるわ!」みたいなものですが。
同社説によると、

 ウクライナではここ数年、不審な事件が続いた。野党指導者2人が相次いで交通事故に遭い、ひとりは死亡した。誰の仕業かいまだに分からない。
 4年前には反体制派の記者が失踪(しっそう)し、首なし死体で発見された。殺害を指示したクチマ大統領の肉声とみられるテープが見つかり、大統領は弾劾の瀬戸際に追いつめられたが、結局うやむやで終わった。そこにこんどの事件である。野党側は、非難の的をクチマ政権ばかりでなく、政権の後ろ盾であるロシアにも向け始めた。野党陣営の幹部は、毒を盛る陰謀には旧ソ連の保安機関KGBの専門家が関与した疑いが濃く、7月に彼らの脅しを受けていたと述べている。
 ロシアの機関が事件に直接関与したとは考えにくいが、実際、今回の選挙に対するロシアの介入はすさまじく、それだけ野党支持者のロシア不信も深い。(一部文中削除)

だそうです。毒物や薬物の使用は、旧ソ連時代のKGBの手法としては珍しくないですけれども。
 しかし、一方で「やっぱロシア人系の人はは野蛮だよね、EU加盟も遠いね」と落としてしまって一件落着という、欧米的な価値の押しつけ(というか、欧州によるロシア蔑視)だけで、ウクライナ(とロシア)を語るのは余りに危険でしょう。そして、それは欧州側の情報操作の匂いすら感じられる(これは複数の論者がすでに指摘しているのですが)
 突き詰めていくと、この問題は「これまで(事実上)国家を持ったことがないウクライナという地域は、そもそも国家となりうるのか」という問題に行き着いてしまうのですが。ユーシェンコ氏は悲しいかなその駒として動いて、動かされている(当人にその自覚はないと思いますが)にすぎないとみえます。
 ちなみに、私は東欧の政治情勢には多少詳しくとも、ダイオキシン中毒症状については全く詳しくありませんので、その点はご容赦ください。
 今日は書き出しということで、ここまでにさせてください(次はいつか分かりませんが)